無理やり口につっこまれた甘いあまいミルクチョコレートは、どろどろと口内の温度で溶けていく。それを兵助は舌に纏って、あたしの舌を捕まえ絡めてくる。眩暈がしそうなほどの甘い匂い、プラス、酸素の欠乏。あたしはぼんやりする頭で、このまま融けてしまえるんじゃないか、なんてどうしようもないことを考えていたら、突然口内に痛みが走った。反射で舌を引っ込めて口を押さえれば、口内にいまだ残るミルクチョコレートの味にほんのり鉄の味が混ざっていく。一気に醒めた脳が一瞬でことを理解して、あたしはキッと威嚇するように兵助を睨んだ。 「、顔怖いよ」 「・・・なに、すんの」 「気持ち良さそうな顔してたから、お仕置き?」 余裕綽々な顔で、兵助はあたしを見下ろす。あたしがさらにきつく睨めば、兵助はにいっと口角を歪めて、一瞬にしてあたしを捕らえてしまった。そして、唇がつくかつかないかという絶妙な距離でそっと歪な愛を囁いた。刹那、兵助の綺麗な赤い舌があたしの唇をべろりと舐めた。 拍手ありがとうございました。ハッピーバレンタイン!! :) |