春の近づいた朝は、気持ちがいい。うっすら覚醒しそうな意識を、もう一度夢に戻そうとしたら、とんとんって弱く肩を叩かれた。


、起きてください」
「んー・・・、まだー」
「まだーじゃないです。ほら、仁王君も起きてくださいよ。」
「むりー」



しばしの沈黙から、ばさりっ、といきなり柳生があたしと仁王が包まってた布団を剥ぎ取った。いくら春が近いと言えど、いくらあたしたちが起きないからと言えど、まだ布団がないと朝は寒いわけで、あたしは暖をとるために、近くにいる仁王に抱きついた。同じように、仁王もわたしに抱きつく。


「はあ・・・、も仁王君もはやくおきてください。」
「「むりー」」
「・・・・・・いつまでも起きないなら、朝ごはん、作りませんよ。」
「それはだめ!」
「いやじゃ!」


柳生の一言で、あたしと仁王は同時に飛び起きた。そのタイミングのばっちりさに、三人で顔を見合わせてけらけらと笑った。それから、あたしと仁王はぼさぼさの頭とだるだるのジャージで、ベッドから下りた。ちなみに、柳生はもう朝の準備が終わって、バッチリなぐらいきまってる。さっすが紳士!


「ねー、今日の朝ご飯なに?」
「お二人は、なにがいいですか?」
「俺、にくー」
「えー、サラダー」
「なら、ホットサンドにしましょう」



あたしと仁王がノロノロと柳生を追いかけて、リビングに向かう。その間に、ごはんの献立を三人で、というより柳生が、決めた。そんで、決まったらあたしと仁王は洗面所で顔を洗って、柳生は朝ごはんづくりに分かれる。これがいつものあたしたちの朝だ。でも今日はみんなお休みの日だから、いつもよりゆっくりしてる。


「におー、たおるー」
「んー。ー、はぶらしー」
「あいがと。ほい」
「どーも」


洗面所で仁王とあたしが顔洗ったり歯磨いたりあれこれしてたら、仁王が突然あたしのでこにちゅうしてきた。 それにびっくりして、目を見開いて固まってたら、仁王は子供っぽい顔でけらけら笑った。 何か、それが、こう、悔しかったから、その場で叫んでやった。


「やーぎゅー!におーがかってにでこちゅーしてきたー!」
「あ、こら!やめんしゃい!」
「こら、仁王君。悪戯するのはやめなさい。それと、も叫ばない。」
「ざまあみろ!バカにおー!」
!チクるんはずるいなり!」
「ほらほら、二人とも。ごはんですよ。」


苦笑いしながら、どこか楽しそうな柳生の声で、あたしと仁王はリビングに戻る。 どうやら朝ごはんが出来たっぽいので、けんかはここで中断。あ、いい匂いがする。 あたしと仁王はそれに気付いて、急いでリビングの自分の椅子に着席。 そこにはおいしそうな出来立てのホットサンドときれいに切られたフルーツ、それとそれぞれの飲み物がコップに注がれていた。


「はい、どうぞ。」
「うわ、おいしそー!」
「うまそうじゃのう」
「それはよかった。では、」
「「「いただきます」」」