突然、の姿を見なくなった。ふわり、それは音もなく、唐突に。 心配で心配で、俺は、授業を、さぼって、を、探した。 のお気に入りの、屋上。たまにこっそりいる、図書室。サボりのときに使う、俺たちの部室。でも、どこにもいなかった。クラスのやつらにも聞いたけど、「しらない」しか返ってこなかった。なんで。どこ、どこ、どこ。昨日まで、いたのに。俺の側に。俺の隣に、いたのに。


「ブンちゃん、俺探してくるけえ、部活休む」
「は?」
「幸村に言っとって」



焦りながら、電話をかけた。一度も出ない。震える指で、メールを送った。返事は来ない。 息を切らせて、学校中を探した。どこにもいない。最後の手段で、家に行った。誰も出ない。 。お前は、今、どこにいるの。俺は、ずっと、ずっと、を、探した。 でも、見つからなかった。どこ、どこ、どこ、どこ、どこ。





今日も、の姿を見てない。登校の途中も、授業中も、休み時間も、昼休みも、清掃時間も、放課後も、今も。だから、俺は、また、部活を、休んで、を、探した。


「ブンちゃん、今日も部活休むけえ」
「おい、仁王!」
「すまんのう」



また、今日も、電話をかけた。ただいま電話に出ることが出来ません。また、メールを、送った。受信メールはありません。また、学校中を、探した。靴箱には上靴だけがいた。また、最後の手段で、家に行った。ガチャリ、が、出てきた。会いたかったその人が、目の前に現れた。。やっと会えた。やっと、やっと、やっと!・・・でも。


、それ・・・どうしたんじゃ、」
「・・・・・・・に、お」
、・・・・・?」



やっと、やっと、やっと、に、会えた。でも、でも、でも、は、ぼろぼろで、酷い姿だった。少しサイズが大きいジャージから覗く手も、俯いて前髪に隠れている顔も、何も穿いてない剥き出しな両足も、きれいに染められていた髪も、ぜんぶぜんぶ、ぼろぼろ、だった。 青紫や赤紫の痣、赤黒くこびり付いてる瘡蓋、所々歪に切られた髪、不自然に変色した足。なにが、なにが、なにが、なんで、どうして、なんで。


俯いて、何も言わない、ぼろぼろのを、やさしくやさしく、俺の腕で、包んだ。 誰の目にも触れないように、この世界から隠してしまうように、が壊れてしまわないように、そっと、そっと、やさしく、やさしく、包み込んだ。