より一層白くなった肌、血の気のない唇、永遠に閉じられた瞼。
薄色の花達に囲まれて、静かに眠っているその人は、生の時を永久に止めた人。
猫っ毛の淡い栗色の髪に、そっと手を伸ばして触れてみる。
柔らかな、この間までと何ら変わりのない感触。
でも、少しだけ手が触れた頬は、とても冷たかった。

「ニール、ニール・・・、ニー、ル、ニー・・ル」

呪文みたいに繰り返す言葉は、永遠の眠りについたその人の名前。
何度呼んでも返事は無く、何度呼んでも物足りなかった。

「ニール、ニー、ル・・・、」
(なんだよ、)

もう返ってこない声。もう見れない笑顔。もう消えてしまった体温。
失いたくない、無くしたくない、消したくないもの全て、私は失った。
ニール・ディランディその人を、亡くした。
もしも、愛しい者に置いて逝かれる辛さを知っていれば、
もしも、彼の死を知ることができていれば、
もしも、私が彼に出会わなければ
もしも、もしも、もしも、もしも、
この世界にニールいなかったら、
なんて、