午後の暖かい太陽にうとうとと浅い眠りに浸っているときに、コンコンと控えめなノックが響いて、続いてからからからとドアが開いた。 誰だろう?看護婦さんかな?とおもってゆっくりと首を動かしたら、そこには薄めのミルクティーみたいな綺麗な髪色のすっごくカッコいい人がいた。 彼は眠りに付きそうな私に、今の太陽に負けないくらいふんわりと柔らかく笑って、簡易の椅子をベットの端まで持ってきて、座った。


「寝てた?」
「・・・ううん」
「そうか」



私はかすれたような声と一緒に、ゆっくりと首を横に振った。 かちかちかち、壁に掛かった時計の秒針の音がぼんやりと滲んで聞こえる。 このひと、誰だろう?と思ったけど、今はそれを聞くことさえめんどうだった。 それに、どことなく、この人を知っている気がした。懐かしい、感じ。


「眠いん?」
「う、ん」
「そか、ならお邪魔やったな」
「ううん」



力なく目を閉じたままの私が返事すると、ふふふ、と彼はまた柔らかく笑った、気がする。彼の声はすごく落ち着く音で、さらに私の意識は眠りに引っ張られていく。ふわり、と春風みたいに優しく彼が私の前髪を撫でた。


「おやすみ、
「う、ん」



彼の声が、遠くとおくで聞こえた。 暖かい太陽と真っ白なシーツが私を包んで、そのまま深いふかい眠りに運んでいった。 意識が落ちるか落ちないかぐらいで、不思議なことに私の口が勝手に、言葉を紡いだ。 でもそれは微かな音、というよりむしろ息を吐く程度しかならなかった。











夢を見た。それはただの夢なのだけど、やけにリアルな夢だった。 目が覚めてぼんやりと覚えていたことは、眠る前に見た男の子と私が、なぜかそれはそれは楽しそうに笑いあってたことだけだった。